国税庁の平成26年度会社標本調査結果(https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2015/kaisha_hyohon/index.htm)によれば、各会社形態の数は以下のとおりとなっています。
組織別法人数(平成26年度)
株式会社(旧有限会社含む):2,477,769社
合名会社:3,991社
合資会社:18,989社
合同会社:39,405社
その他:76,331社
株式会社(旧有限会社含む)が圧倒的に多く、全体の95%を占めます。平成18年に新設された合同会社はまだ数は多くありませんが、設立数は急増しており、今後全体に占める割合は大きくなっていくと予想されます。
一方で、旧来からある合資会社は全体の1%弱、合名会社に至っては0.2%しか存在していません。
合名会社と合資会社は株式会社に比べ設立費用が安く、運営も簡単というメリットがあります。
また、以前は、株式会社で1000万円、有限会社でも300万円の最低資本金規制がありましたが、合名会社と合資会社にはそれがなかったので、小規模な事業、例えば家族経営の事業や、在宅ワークなどで法人化する場合に利用されることもありました。
しかし、株式会社と昔の有限会社の社長は破綻したときには出資した額以上に責任を負いませんが(有限責任)、合名会社と合資会社の社長は債務が出資金以上になれば個人の財産をもって弁済しなくてはならないデメリットがあります(無限責任)。いざというときの事を考えると合資会社と合名会社はリスクが大きいと言えます。
それを考えると多少無理してでも300万円を用意して有限会社を設立した社長さんも多かったと思われます。
結局のところ、合名会社と合資会社の数は多くなりませんでした。
さらに、平成18年から株式会社の資本金が1円でよくなり、株式会社設立のハードルが一気に下がりました。そしてさらに合名会社と合資会社の様に設立・運営が楽で、しかも有限責任である合同会社という会社形態が誕生しました。
そのため、合名会社と合資会社のメリットがあまりなくなったので、設立数が減り、数も減少傾向にあります。
合名会社・合資会社・合同会社の数の推移
合名会社 | 合資会社 | 合同会社 | |
平成18年 | 5,752 | 31,932 | 617 |
平成19年 | 5,681 | 25,548 | 3,990 |
平成20年 | 4,613 | 25,172 | 11,816 |
平成21年 | 5,271 | 25,645 | 10,193 |
平成22年 | 5,398 | 26,363 | 14,321 |
平成23年 | 4,391 | 22,093 | 16,824 |
平成24年 | 4,218 | 21,462 | 20,728 |
平成25年 | 4,088 | 20,549 | 28,282 |
平成26年 | 3,990 | 18,985 | 39,277 |
出典:会社標本調査結果(https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon/toukei.htm#kekka)
今後も合名会社と合資会社は減少傾向が予想されるため、さらに希少存在になると思われます。そこで、あえて合名会社と合資会社を設立することで相手により強い印象を与えることも可能になるかもしれません。